「放送局占拠」で流れるBGMが、静かに、しかし力強く耳に残る能楽だったことに気づいた視聴者も多いのではないでしょうか?
「大病院占拠」ではお経が使われていたことを考えると、その変化には明らかな意味があります。
本記事では、BGMを切り口に「放送局占拠」と「大病院占拠」の違いを5つにまとめて考察していきます。
占拠シリーズのBGMが「お経」から「能楽」へと進化
占拠シリーズでの各リーダー正体公開シーン✨大病院占拠の武装集団·百鬼夜行のリーダー青鬼の正体は菊池風磨さん⭐️新空港占拠の武装集団·獣のリーダー龍の正体は高橋メアリージュンさん⭐️ハラハラするけどかっこいい✨これからOA放送局占拠の武装集団·妖のリーダー般若の正体公開シーンが楽しみ✨✨✨ pic.twitter.com/7r0GJnd4Bt
— ア⃠ヤ⃠パ⃠ン⃠8⃠ (@a814conan) July 2, 2025
主題歌は占拠シリーズ一貫して、Snow Manの「W」。
ドラマを盛り上げるBGMはシリーズごとに変わり、毎回話題を集めています。
武装集団である悪者に「テーマソング」があることも、このドラマの魅力の一つです。
大病院占拠:鬼のテーマはお経
「大病院占拠」では、悲しみや祈りを感じさせるお経ベースのBGMが印象的でした。
大病院占拠のBGMについて書いた記事はこちら
大病院占拠のBGMがお経で怖い!誰が作曲で発売はいつ?主題歌や挿入歌も調査
新空港占拠:獣のテーマはレクイエム
いよいよ来週…!✈️
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「新空港占拠」では、獣たちの「レクイエム(鎮魂歌)」でした。
ゲイリー芦屋さんは、典礼詞『怒りの日~Dies Irae』に曲をつけ「獣~怒りの日 / Dies Irae」を作成しました。
「Dies Irae」はキリスト教の最後の審判(Judgement Day)を描いた中世の典礼詩で非常に荘厳かつ恐怖を呼び起こす詩です。
歌詞の日本語訳
Fortunae rota versa est.
運命の輪は回った。
Bestiae!
野獣どもよ!
(以下、「Dies iræ(怒りの日)」より)
Dies iræ, dies illa
怒りの日、その日は来る。
Solvet sæclum in favilla
その日は、世界を灰の中に解き放つだろう。
Teste David cum Sibylla
ダビデと巫女(シビュラ)が証するところの。
Quantus tremor est futurus,
どれほどの震えが来ることか。
Quando judex est venturus,
裁き主が来られるとき、
Cuncta stricte discussurus
すべてを厳密に裁かれるために。
Tuba mirum spargens sonum
ラッパが驚くべき音を鳴り響かせ、
Per sepulchra regionum
すべての墓場に響き渡る。
Coget omnes ante thronum.
そして、すべての者を玉座の前に集める。
Mors stupebit, et natura
死も自然も驚くだろう。
Cum resurget creatura
すべての被造物がよみがえるとき、
Judicanti responsura.
裁き主に答えるために。
放送局占拠:妖のテーマは能楽
「放送局占拠」では能楽の地謡(じうたい)が響きます。
能楽は「死者の魂を慰め、現世との境界を表現する芸能」と言われています。
能楽の世界観には「弔い」や「因果応報」といったモチーフが多く登場します。
BGMが能楽に変わったことは、鬼たちの行動が「怒り」から「鎮魂」へと向かっている暗示とも取れます。
ゲイリー芦屋の選曲は、獣たちの行動がただの暴力ではなく精神的・宗教的意味合いを持っていることを象徴しているのかもしれません。
音楽が視聴者に与える心理効果の違い
大病院占拠でひっ迫する場面で場画れたBGMのお経は、不安や緊張を煽る音として機能していました。
一方、能楽は不気味さとともに、深い静けさや荘厳さを感じさせます。
視聴者は能楽を聞くことで、鬼=敵ではなく、何かを訴えようとしている存在だと無意識に感じ取ることができます。
これはストーリー展開に対する“共感”を生むための演出とも解釈できます。
死者と生者の関係性を象徴する音
能楽では、死者が現世に語りかけるスタイルの演目が数多く存在します。
「放送局占拠」では、妖たちの行動の背後に、犠牲となった人々の声が聞こえてくるような感覚があります。
これは「大病院占拠」で直接的に語られた“怒り”とは異なり、哀しみや魂の叫びとして描かれています。
音楽はこのテーマを支える重要な要素となっています。
ゲイリー芦屋の音楽が担う“語り”の役割
ゲイリー芦屋氏は、言葉よりも音でストーリーを語る作曲家として知られています。
「放送局占拠」では、セリフで説明されない鬼の想いや背景が、能楽という選曲によって視聴者に“感じさせる”形で表現されています。
これは、考察好きなファンが“気づいて楽しむ”要素を増やす効果も。
まさに、音楽が“もう一つの脚本”として機能しているのです。
能楽BGMは「放送局占拠」の物語を深化させるカギ
「放送局占拠」で能楽が使われたことは、単なる雰囲気づくりではありません。
鬼たちの行動の背景にある鎮魂や儀式性を象徴する意味を持っており、「大病院占拠」とは違った深みと余韻を演出しています。
音楽を手がかりにストーリーを読み解くことで、より一層ドラマを楽しむ視点が広がりますよ。
あなたは放送局占拠のBGMにどんな印象を持ちましたか?
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今後の展開も音楽と一緒に注目していきましょう!
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